コラム
大規模修繕工事の依頼先選定時にチェックすべきポイント
大規模修繕工事は実施する時期によって考慮するポイントが異なります。今回は春夏秋冬それぞれのメリット、デメリットをご紹介いたします。選ぶ季節によって費用や住民への負担がかわってきますので、工事時期検討にあたってぜひご一読ください。
春は気候が温暖で大規模修繕工事のベストシーズンと言われています。 下地補修工事や塗装工事などの水を使う工事は「湿式工法」といい、施工後に乾燥させる養生期間が必要です。 春はさほど湿度が高くないことから大規模修繕工事に向いている季節といえます。 デメリットは大規模修繕工事の施工時期として人気が高いこと。 そのため、施工会社のスケジュールが押さえづらかったり、費用が割高となったりする場合があるので注意が必要です。 もし春の大規模修繕工事を希望する場合は早めに施工会社に相談しましょう。
夏は大規模修繕工事に適しているとは言い難い季節です。 台風やゲリラ豪雨が発生すると工事を中断せざるを得なくなります。 工期が延長となるとその分コストも膨らみます。 天候はコントロールできるものではないので致し方ないのですが、少しでもリスクを減らしたい場合は夏の大規模修繕工事は避けたほうがよいでしょう。 また、工事期間中はベランダの網戸を取り外して窓の開閉ができない、エアコンを利用できないという期間があります。 夏の暑さの中、窓を閉め切りエアコンをつけずに過ごすのは住民にとっては厳しいでしょう。 お盆や夏休みの留守宅が増える時期を狙って足場をつたって侵入するリスクが高まるので防犯上の注意が必要です。 メリットとしては大規模修繕工事の依頼が多くない分、初期工事費用の交渉ができる可能性があること。 工事コストを重視したい方は夏の大規模修繕工事のデメリットを理解した上でこの時期を選択するのもひとつです。
秋は春と同様に大規模修繕工事に適しているといわれています。 穏やかな気候は塗料や施工の品質の確保に適しています。 大規模修繕工事期間中は窓を開けられない住民にとっても、夏場のような過酷な状態は避けられます。 また、お盆や年末年始のような長期の休みがないのは防犯上の点からも安心です。 デメリットはこちらも春と同様に依頼が多い時期であるがゆえに費用が高くなる場合があること。 また、時期の遅い台風や秋の長雨など天候によって工期延長となるケースがあることも理解しておきましょう。
冬の大規模修繕工事はあまりおすすめとはいえません。 冬の低い気温では材料が凍ってしまい、本来塗料が持っている品質が発揮できない可能性があります。 では塗料を適切な温度で管理していれば問題はないかというと、そこはちょっと違います。 湿式工法の材料は施工後の硬化・養生が施工後の品質を左右します。 多くの塗料は気温が5度以下になると硬化が鈍くなるため、低温下では硬化不良による施工品質低下のリスクがあります。 さらに年末年始休暇で留守宅が増えることによる防犯リスクも考慮が必要な点です。 メリットは時期的に工事の依頼が多くないため、条件次第では工事費用コストを抑えたり、技術の高い職人を確保しやすいことでしょう。 低温下の硬化については添加剤を使用することで硬化を促進することが可能です。 その一方で材料を追加することで費用がプラスとなることも理解しておきましょう。 気温・気候は地域によっても異なりますので、まずは施工会社に話を聞いてみることをおすすめします。